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2024年度 第27期セミナー【系統講義】ご案内

 当セミナーでは4年を1クールとしてプログラムを組み立てており、2024年9月にはその4年目が始まります。これまで、1年目では精神分析の礎であるフロイトの理論を学び、2年目では各学派の理論について理解を深め、3年目では設定・アセスメントから終結に至るまでの理論的背景を学びました。4年目となる第27期では、「精神分析と精神医学、そして他領域との交差」を年間テーマとして、主に精神疾患を精神分析的に理解することを目指し、以下のプログラムを用意しました。医療現場で臨床を行っておられる方はもちろん、精神医学の領野を精神分析的視点から深く体系的に眺めていくことに関心をお持ちの方はどなたでも、是非ご参加をご検討ください。もちろん単年で受講していただくことも可能です。
 なお、第27期は引き続きオンラインにて講義を実施したします。加えて、同日の午後に大阪市内の会場にて症例検討会を行う予定です。午後の症例検討会にご参加予定の方に限り、午前の講義を会場でお聞きいただくことも可能です。


年間テーマ:「精神分析と精神医学、そして他領域との交差」


プログラム

日 程 講 師 講義テーマ
1 2024年9月22日 横井 公一 先生 解離とヒステリー
2 10月27日 古賀 靖彦 先生 強迫
3 12月8日 館 直彦 先生 抑うつ
4 2025年1月19日 清野 百合 先生 精神病
5 2月23日 鈴木 智美 先生 パーソナリティ障害
6 3月23日 増尾 徳行 先生 パラノイアと狂気
7 4月20日 飛谷 渉 先生 摂食障害
8 5月18日 高野 晶 先生 心身症
9 6月22日 木部 則雄 先生 発達障害
10 7月20日 松木 邦裕 先生 サイコセラピーの目指すものと倫理


各講義概要・参考図書

第1回『解離とヒステリー』横井 公一 先生
1895年の『ヒステリー研究』では「性的誘惑」に起因するとされた「ヒステリー」という疾患は、1897年のフロイト自身の転向により欲動論に従って再構成された。そして1980年のDSM-Ⅲに至ると「ヒステリー」という病態は身体表現性障害と解離性障害に解体され、さらには外傷理論の影響の下に解離性障害の理解についてのパラダイムシフトが生じた。本講義では「誘惑から欲動へ、そして外傷へ」という病因論の変化と、それが精神分析の技法に及ぼした影響について考察してみたい。
【参考図書】
・フロイト(1895):ヒステリー研究.岩波書店など
・J. M. グッドウィン編(1997):心的外傷の再発見.岩崎学術出版社

第2回『強迫』古賀 靖彦 先生
本講義では、まず、フロイトが定義した「強迫神経症」、およびフロイトの症例「ねずみ男」について述べます。それから、現代精神医学で定義される「強迫症(OCD:Obsessive-Compulsive Disorder)」と「強迫性パーソナリティ障害(OCPD)」の症状と兆候、診断、治療について概説します。時間が許せば、1980年代から精神医学で使われるようになった操作的診断の功罪にも触れたいと思います。
【参考図書】
・フロイト・S(1909):強迫神経症の一症例についての覚書.藤山直樹編・監訳(2017)『フロイト症例論集2』岩崎学術出版社
・高橋三郎、大野裕監訳(2014):DSM-Ⅴ 精神疾患の分類と診断の手引.医学書院
・岩崎徹也(2011):精神分析学から見た操作的診断の功罪、『特集 DSM診断体系の功罪 精神療法 V ol.37 No.5』

第3回『抑うつ』館 直彦 先生
抑うつはありふれたものであるが、実は手強いものであり、その中でも「死にたい」「消えてしまいたい」といった訴えが厄介であることはどんな臨床家でも経験していることであろう。このセミナーでは、Freudのテキストの再読から出発し、抑うつとナルシシズムが深くかかわりあっていることを踏まえた上で、生と死の欲動二元論の観点から、ナルシシズムの理解を深めることを通して、こうした患者の理解とアプローチについて論じていきたい。
【参考図書】
・Freud(1914):ナルシシズム導入のために(ナルシシズム入門)
・Freud(1917):悲哀とメランコリー
・Sodré, I(2005):The wound, the bow and the shadow of the object. Note’s on Freud’s ‘Mourning and Melancholia’ in Perelberg (ed): Freud A Modern Reader
・Green, A(2002):A Dual Conception of Narcissism Psychoanal Q 71:631-49

第4回『精神病』清野 百合 先生
フロイトは精神病患者を精神分析の対象外としました。一方クラインが妄想分裂ポジションや投影同一化などの概念を導入して以降、スィーガル、ローゼンフェルド、ビオンらクラインの弟子たちは、精神病者に対する精神分析を行い、その臨床的知見から新たな理論を構築していきました。本講義では、ビオンの理論を中心に、精神病に対する精神分析的な理解を深めていきたいと思います。
【参考図書】
・ビオンW.R.著(2013):再考:精神病の精神分析理論.松木邦裕監訳、中川慎一郎訳.金剛出版
・ヴェルモートR.著 (2023):リーディング・ビオン.松木邦裕監訳、清野百合訳.金剛出版
        
第5回『パーソナリティ障害』鈴木 智美 先生
パーソナリティ障害者は、そのこころに非神経症構造を持ち、考えるのではなく行動することによって、その葛藤や苦痛感をこころから排泄する病理をもっています。分析臨床においては、陰性治療反応や治療の行き詰まりがしばしば生じ、治療者は彼らのふるまいに戸惑い、振り回されるゆえ、逆転移のモニタリングが必須になります。学派によってその技法論が大きく異なることも、彼らとの治療の困難さを表してもいるでしょう。しかしながら、彼らとの交流は、ひとのこころの深淵に触れる時間となりえもします。そのこころの在り方について学ぶ時間としたいと思います。
【参考図書】
・松木邦裕(2021):「パーソナリティ障害」の疾病論と治療概説(古賀靖彦編集代表)精神分析基礎講座.金剛出版
・松木邦裕、福井敏編(2009):パーソナリティ障害の精神分析的アプローチ.金剛出版
        
第6回『パラノイアと狂気』増尾 徳行 先生
精神医学の現場・心理療法の現場で議論をするとしても,精神病,パラノイア,狂気,そして統合失調症の区別は,あまりついていない印象を覚える。それには歴史的・文化的文脈があってのことだろう。ただ精神分析の文脈でパラノイアと狂気をとりあげるとき,それは特有の色彩を帯びる。むろん治療的接近という取り組みも数多くあるのだが,ある種創造性と結びつく思考を導くものもある。精神医学的な思考とは区別されるものとして,パラノイアと狂気についてとりあげてみたい。
【参考図書】
・フーコー,M. (1961/2020):狂気の歴史.新潮社
・ウィニコット,D.W. (1971/2015):遊ぶことと現実.岩崎学術出版社
        
第7回『摂食障害』飛谷 渉 先生
摂食障害は拒食症であれ過食症であれ、身体と性を舞台とした重い「心の病」です。生命危機に陥った低体重の患者を前にすると、臨床家はしばしばそのことに気づきません。内科的治療や行動療法によって生命危機が和らいでも、心の治療がなされないなら多くの場合再発します。本講では、摂食障害患者の心のあり方、特に「内的な性的両親」の万能的コントロールを伴う悪性の強迫状態ついての理解を提示し、心理療法によるアプローチの方法を解説します。
【参考図書】
・Lawrence,M.(2008):The Anorexic Mind.Karnac,London.(「拒食症の心的世界(仮題)」(訳)北岡征毅、(解題)飛谷渉 金剛出版2024邦訳出版予定)
・飛谷 渉(2021):エディプス・マターズ――現代クライン派臨床理論から考える心のインフラ.思想1168,岩波書店,東京,pp95-117
        
第8回『心身症』高野 晶 先生
精神分析の理論が身体をとらえる時、心身症がまずその焦点となることは言うまでもないものの、精神療法的に取り扱われるケースはあまり多くありません。しかし心と身体の関係はより多彩で臨床に偏在しています。身体化、身体疾患、自殺など、身体のからむ臨床上の問題を精神分析の理論というツールを片手に紐解いてみましょう。
【参考図書】
・MacDougall, J.(1989):Theaters of the Body.Norton 氏原寛,李敏子訳(1996)身体という劇場.創元社
・Briggs,S.et al.(ed.)(2008):Relating to Self-harm and Suicide.Routledge(岩崎学術出版社より刊行予定)
        
第9回『発達障害』木部 則雄 先生
発達障害は生得的なものであり、その問題は精神分析的には早期母子関係にある。これはクラインとアンナ・フロイトの大論争時に、ハイマンが語った投影・摂取によるパーソナリティの基盤ができるとしたことに関連している。この後、ビオンはこれを展開して、コンティナ―のが概念として結実した。本講義では、ASD、ADHDの早期対象関係の支障に関して論じ、発達障害の精神分析的アプローチの困難さについて明確にする。
【参考図書】
・木部則雄(2015):発達障害のこころの発達.白百合女子大学 発達臨床センター紀要 第18号 3‐16.
        
第10回『サイコセラピーの目指すものと倫理』松木 邦裕 先生
本年度は「精神分析と精神医学、そして他領域との交差」という年間テーマで各精神疾患の理解を深める企画です。私は精神疾患へのサイコセラピーの目的と有用性を多面的に紹介し、そこで必要とされる治療者-患者関係での倫理にも触れたいと思います。
【参考図書】
・ケースメント(1991):患者から学ぶ.岩崎学術出版社


講師ご紹介(五十音順)

木部 則雄 先生 白百合女子大学
古賀 靖彦 先生 油山病院
鈴木 智美 先生 精神分析キャビネ
清野 百合 先生 勝田クリニック/さくら精神分析研究室
高野 晶 先生 北参道こころの診療所
館 直彦 先生 たちメンタルクリニック
飛谷 渉 先生 大阪教育大学
増尾 徳行 先生 ひょうごこころの医療センター
松木 邦裕 先生 日本精神分析協会/個人分析オフィス
横井 公一 先生 微風会 浜寺病院


注意事項


・受講時の撮影、録音は禁止しております。
・守秘義務を遵守できない方のご参加はお受けできませんのでご了承ください。
・オンライン参加の場合、受講中はイヤホンを使用してください。また、受講者が映るようビデオをオンにしてください。


お申込み詳細

対象
精神分析、精神分析的精神療法・心理療法に関心をお持ちの医師(精神科医、心療内科医、小児科医など)、心理職(臨床心理士、公認心理師)及び、心理臨床を学んでいる大学院生で守秘義務を遵守できる方
*本セミナーは、公益社団法人日本臨床心理士資格認定協会が定める臨床心理士資格の更新ポイント(定例型研修会、4ポイント)に申請されています。
開催期間
2024年9月22日(日)~2025年7月20日(日)      
開催時間
系統講義 10:00〜12:30
開催場所
オンライン

*午後の症例検討会にご参加の方に限り、講義を午後の会場(エル大阪)にてご視聴いただくことが可能です。但し会場では資料配布はありませんので、各自資料をプリントアウトしてご持参ください。
*運営委員が講師を務める回についてはエル大阪からの配信となりますので、午後の症例検討会にご参加で午前から会場に来られる方は、対面での講義となります。       
定員
75名       
申込方法
お申し込みはこちら
申込期限
2024年8月末日

開催後も参加申込みを受け付けています。
但し、初回(9月)への参加は9月15日(日)までにお申し込み下さい。
それ以降にもお申し込みいただけますが、事務手続き上、ご参加いただけるのは第2回目(10月)からとなります。
参加費
一般・学生 ¥35,000

年度途中からお申し込みいただく場合であっても、一年分の参加費を頂戴しております。ご了承ください。
納入方法
一括全納       
振込先
申し込み受付後に、メールにて振込先をお知らせ致します。



 2024年度 第27期セミナー【症例検討】ご案内

当セミナーでは理論と臨床の両方を学ぶことが重要と考え、コロナ禍までは午前に講義、午後に症例検討会を実施してきましたが、コロナ禍以降、症例検討会の開催を見合わせざるを得ない状況が続いていました。検討を重ねました結果、2024年度は、午前の講義は引き続きオンラインにて行い、午後の症例検討会は現地開催というスタイルで実施を試みることとしました。
そして、症例検討会の形式も変更します。運営委員が助言者およびファシリテーターを担当し、症例についても、「構造化された精神分析的心理療法の症例」に限定せず、より幅広いケースを対象とする予定です。少人数で気兼ねなく意見を出し合う自由な雰囲気の中で、症例から多くを学んでいくことを目指したいと思いますので、みなさまどうぞふるってご参加ください。

日 程 講 師
1 2024年9月22日 宿谷 仁美
2 10月27日 片山 貴美子
3 12月8日 川野 由子
4 2025年1月21日 清野 百合
5 2月23日 川野 由子
6 3月23日 増尾 徳行
7 4月20日 片山 貴美子
8 5月18日 宿谷 仁美
9 6月22日 清野 百合
10 7月20日 増尾 徳行
代表:横井公一先生は原則として毎回出席する予定です。


注意事項


・運営委員が助言者およびファシリテーターを担当します。
・ご発表いただく回はこちらで割り振らせていただきます。ご都合の悪い月があれば事前にお知らせください。
・臨床心理士更新の要件に含まれる定例型研修会参加4ポイントを申請可能です。
・日本精神分析学会の学会認定研修グループ(症例・事例検討会)の条件は満たしませんのでご注意ください。


お申込み詳細

対象
精神分析、精神分析的精神療法・心理療法に関心をお持ちの医師(精神科医、心療内科医、小児科医など)、心理職(臨床心理士、公認心理師)及び、心理臨床を学んでいる大学院生で守秘義務を遵守できる方
開催期間
2024年9月22日(日)~2025年7月20日(日)      
開催時間
事例検討13:30~16:00
開催場所
エルおおさか(大阪市中央区)

・午前の系統講義にもご参加される方は、講義の時間から会場を開放していますので、会場にて講義を視聴なさることも可能です。その場合、会場での資料配布はございませんので、各自資料をプリントアウトしてご持参ください。
・午前の講師が来場する場合には、会場からのハイブリッド開催となります。
・ご自宅で講義をご視聴後、会場にお越しいただいてももちろん構いません。       
定員
10名(最少催行人員8名)

・症例を提示できる方に参加を限らせていただきます。
・但し、症例は、これまでの「構造化された精神分析的心理療法の症例」に限定しません。より多様な構造で実施している症例でも構いません。
例)隔週やそれ以下の頻度のケース、一回30分で実施しているケース、親子並行面接の親面接など       
申込方法
お申し込みはこちら
申込期限
2024年8月末日
参加費
一般・学生 ¥35,000

年度途中からお申し込みいただく場合であっても、一年分の参加費を頂戴しております。ご了承ください。
納入方法
一括全納       
振込先
申し込み受付後に、メールにて振込先をお知らせ致します。



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バナースペース

大阪精神分析セミナー

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大阪府大阪市東淀川区淡路
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