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2020年度 第23期セミナーご案内


 皆様方におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 さて、今年度もまた、第23期大阪精神分析セミナーの開講をご案内させていただきます。Covid-19による昨今の不透明な社会情勢のなか、そして絶えざる不安を私たち一人一人が抱えるなかでこうしたご案内ができることも、皆様方の温かいご支持とご賛同のお蔭と心より感謝しております。
 このセミナーは、2018年度より3 年間を1 クールとして、1 年目は精神分析の基本概念、2年目は臨床的理解、3年目は精神分析的アプローチの実践的理解を学んでいただけるようプログラムを構成しています。もちろんセミナーにはどの年度からでもご参加いただけます。
 3年目となる今期は、疾患への精神分析的理解とアプローチをテーマにしています。日々の臨床実践の場で出会う、精神医学的な診断を背景に持つ患者さんやクライエントを、私たちは精神分析的にどのように理解し向き合うことができるのでしょうか。力動的な見立てや、分析的理解に基づいた治療的なかかわりについて学んでいきます。
  また、開催方法に関しまして、未だ流動的な社会情勢を踏まえ、加えて遠方の先生方にもぜひ本セミナーにご参加いただける機会を提供したいとの思いから、今年度はオンラインでご参加いただけるように工夫しました。 今回のセミナーが、精神分析的精神療法を学び始める方にも長年の実践経験をお持ちの方にも、さまざまな連想を生み積極的に学ぶ機会となりますことを願っています。 多くの方のご参加を心よりお待ち申し上げます。


2020年度 第23期 プログラム

テーマ「疾患と力動的理解」
日 程 講 師 指定討論 講義テーマ
1 2020年
9月27日(日)
館 直彦 先生 増尾 徳行 疾患と力動的理解
 序論:ケースレポートを中心に
2 10月11日(日) 東中園 聡 先生 清野 百合 統合失調症の力動的理解と精神分析的アプローチ
3 11月29日(日) 岡田 暁宜 先生 鈴木 千枝子 うつ病の力動的理解と精神分析的アプローチ
4 2021年
1月31日(日)
皆川 英明 先生 手塚 千惠子 クライン派からみたヒステリー概念
5 2月21日(日) 池田 暁史 先生 片山 貴美子 パーソナリティー障害(BPD,NPD)の力動的理解と精神分析的アプローチ
6 3月28日(日) 平井 正三 先生 宿谷 仁美 発達障害への精神分析的アプローチ
7 4月25日(日) 岡野憲一郎先生 手塚 千惠子 トラウマ関連障害の力動的理解と精神分析的アプローチ
8 5月30日(日) 髙野 晶 先生 増尾 徳行 心身症の力動的理解と精神分析的アプローチ
9 6月27日(日) 飛谷 渉 先生 川野 由子 摂食障害の力動的理解と精神分析的アプローチ
10 7月18日(日) 松木 邦裕 先生 横井 公一 精神分析の臨床実践
 疾患と力動的理解
 総括:日常臨床に活かす精神分析
 
 

各講義概要・参考図書
第1回『疾患と力動的理解 序論:ケースレポートを中心に』館 直彦 先生
このプログラムの初回に、私は疾患の力動的理解について、総論を述べたいと思います。このセミナーに参加されている多くの皆さんが目指している実践は、さまざまな疾患に対する力動的なセラピーでしょうが、そこで重要になるのが、精神力動的フォーミュレーションです。その点について、本セミナーとゆかりが深い狩野力八郎先生はケースレポートを作ることを薦めています。しかし、先生はそれを論文にはしなかったので、私はこの機会に、実際にどのようにしていくのかを含めてお話ししたいと思います。
<参考図書>
狩野力八郎:治療構造論、システム論、そして精神分析」分析研究、55巻3号、207ー217 2011
N・コルタート:精神療法家として生き残ること 岩崎学術出版社 2007

第2回『統合失調庄の力動的理解と精神分析的アプローチ』東中園 聡 先生
精神病の治療に薬物療法は不可欠です。けれども、薬物療法が著効し得ない方々に心理療法を試みることで、治療効果が確実にある、また、精神病性の苦悩を汲みつつ人生に同伴する、これらを具体的にお話しします。統合失調症の方々の、心の痛み、つながりの痛み、存在の痛みはすぐそこにあります。また、非精神病性の事例においても、精神病部分への理解からは異なる景色が見えてきます。‥痛みに応えたい、その歩みをお話しします。
<参考図書>
松木邦裕著『精神病というこころ』新曜社 2000
松木邦裕・東中園聡編『精神病の精神分析的アプローチ』金剛出版 2007
(拙著が2編収められています)

第3回『うつ病の力動的理解と精神分析的アプローチ』岡田 暁宜 先生
うつ病は古典的には内因性精神障害とされてきた。精神分析/精神分析的精神療法は、患者の病や症状ではなく、病や症状で苦しむ人間の心を対象にしている。本講義では、うつ病/うつ状態の力動的理解と精神分析的アプローチについて紹介する。
<参考図書>
K.アーブラハム著、下坂幸三訳『アーブラハム論文集―抑うつ・強迫・去勢の精神分析』岩崎学術出版、1995
E.ジェイコブソン著、牛島定信訳『うつ病の精神分析』岩崎学術出版、2000
松木邦裕・賀来博光編『抑うつの精神分析的アプローチ―病理の理解と心理療法による援助の実際』金剛出版、2007
フレドリック・N. ブッシュ他著、牛島定信・平島奈津子訳『うつ病の力動的精神療法』金剛出版、2010

第4回『クライン派からみたヒステリー概念』皆川 英明 先生
精神分析はFreudによる「ヒステリー研究」によって産声を上げました。現在では典型的なヒステリー症状を呈する患者に出会うことはほとんどなくなりましたが、心の基本的な在り方としての「ヒステリー概念」を理解することは、重症の患者を治療する上で今なお有益です。当日は、Freudのヒステリー研究をふり返った上で、現代クライン派におけるヒステリー概念をBrittonの考えを中心にお話しします。
<参考図書>
S.Freud(1895)「ヒステリー研究」の(観察1アンナ・O嬢)フロイト全集2、岩波書店
S.Freud(1905)「あるヒステリー分析の断片」フロイト全集6、岩波書店
R.Britton(2003)「性、死、超自我」の第1部、誠信書房
        
第5回『パーソナリティー障害(BPD,NPD)の力動的理解と精神分析的アプローチ』池田 暁史 先生
パーソナリティ障害が臨床家の間で話題になることは以前と較べて随分減ったように思います。しかし、うつ病や適応障害と診断されている人の背景に自己愛的なパーソナリティ病理が潜んでいることはしばしば認められますし、愛着トラウマとの関連で境界パーソナリティには再度関心が集まってきています。この講義ではこうしたパーソナリティ病理の力動的理解と治療について、実際のケースの展開を基に解説したいと思います。
<参考図書>
池田暁史・相田信男・藤山直樹編:力動精神医学のすすめ―狩野力八郎著作集2.金剛出版,東京.2019.
ギャバード,G. O.:精神力動的精神医学―その臨床実践 第5版(DSM-5準拠).岩崎学術出版社,東京.2019.
        
第6回『発達障害への精神分析的アプローチ』平井 正三 先生
本講義では、私たちの臨床場面で遭遇することがますます多くなったASDもしくはAS傾向を持つクライアントとの精神分析的心理療法について取り上げていきます。特に「薄い」AS傾向を持つクライアントをそのように見立てることは重要であり、その点についても取り上げていきたいと思います。そしてこうした見立てをする場合、心理療法を進めていくうえでどのような理解や介入の枠組みを持つことが有用であるかについて私なりの考えを話していきたいと思います。
<参考図書>
福本修・平井正三共編 『精神分析から見た成人の自閉スペクトラム』誠信書房
平井正三 『意識性の臨床科学としての精神分析』金剛出版
        
第7回『トラウマ関連障害の力動的理解と精神分析的アプローチ』岡野憲一郎先生
臨床場面で出会うトラウマ関連疾患(PTSD、CPTSD,解離性障害)についてそれを理解し、治療的なアプローチを行う際には、フロイトの示した精神分析理論を拡大し、またある部分は補足する必要が生じます。そこではこれまでに葛藤モデルとの対比で論じられてきた欠損モデルや、探索的アプローチとの対比で論じられてきた支持的アプローチがより重要さを増すことになります。この講義ではそれらのモデルやアプローチについて論じるとともに、それらではカバーしきれない解離性障害に関する理論と治療的アプローチについてもお示しすることを考えています。
<参考図書>
岡野著 新・外傷性精神障害 岩崎学術出版社 2015年
岡野著 解離新時代  岩崎学術出版社 2014年
        
第8回『心身症の力動的理解と精神分析的アプローチ』髙野 晶 先生
心が象徴化を使えず、その内容を抱えられない状態は、精神症状、行動化、そして身体化となって表れます。精神分析からみた心から身体への変換の道筋は、The Mysterious Leapと呼ばれ、さまざまな仮説がありますが、象徴化の問題は治療上の大きなテーマです。身体を言葉で取り扱う場合、治療者が概念ではなく生ものである身体にも開かれていることが重要であるともいえます。臨床素材を使いながら語ってみましょう。
<参考図書>
Psychosomatics Today.ed. Marilia Aisenstein, Elsa Rappoport de Aisenberg  Karnac.(翻訳されつつある〜間に合うかどうか)
身体という劇場.ジョイス・マクドゥーガル 創元社(絶版)
        
第9回『摂食障害の力動的理解と精神分析的アプローチ』飛谷 渉 先生
本講では、摂食障害の持つ多様な病像に底在する病理の本質を力動的に捉えつつ、様々なタイプの摂食障害について、力動的観点から理解を提示し、それぞれの治療とマネージメントのあり方について、臨床例を提示しつつ解説します。摂食障害患者の治療にあたる精神科や心療内科の医師には、患者の持ち込む病的状態のアセスメント能力を高められるよう、心理職には摂食障害患者の心理療法を行う際の注意点が理解できるよう構成されています。
<参考図書>
Marilyn Lawrence,‘The Anorexic Mind.’Karnac.
Em Farrell,‘Lost for Words--the psychoanalysis of Anorexia and Bulimia.’Process Press.
        
第10回『精神分析の臨床実践 疾患と力動的理解 総括:日常臨床に活かす精神分析』松木 邦裕 先生
精神分析は、蓄積された濃密な臨床経験から成立している学問です。それゆえに、こころの臨床実践や患者理解に有用な理論・知識・技法が豊かにあります。それらを私たちの日常臨床に有効活用することで、患者に利益をもたらすことができます。その実際を講義します。
<参考図書>
祖父江典人・細澤仁編 日常臨床に活かす精神分析 誠信書房
松木邦裕著 こころに出会う—臨床精神分析: その学びと学び方 創元社
        
 
 

講師ご紹介(五十音順)

池田 暁史 先生 文教大学人間科学部
岡田 暁宜 先生 名古屋工業大学保健センター
岡野憲一郎 先生 京都大学大学院教育学研究科
髙野 晶 先生 心の杜・新宿クリニック
館 直彦 先生 大阪市立大学大学院/たちメンタルクリニック
飛谷 渉 先生 大阪教育大学保健センター
東中園 聡 先生 西岡病院
平井 正三 先生 御池心理療法センター/NPO法人子どもの心理療法支援会
松木 邦裕 先生 精神分析オフィス/ちはやACTクリニック/京都大学大学院
皆川 英明 先生 広島市精神保健福祉センター
 
 

セミナー詳細

対象
精神分析、精神分析的精神療法・心理療法に関心をお持ちの医師(精神科医、心療内科医、小児科医など)、心理職(臨床心理士、公認心理師)及び、心理臨床を学んでいる大学院生で守秘義務を遵守できる方
開催期間
2020年9月27日(日)~2021年7月18日(日)       
開催時間
10:00~12:30
定員
80名
申し込み多数となった場合にはお断り申し上げる場合もございますのでご了承ください。       
申込方法
お申し込みはこちら
申込期限
2020年9月12日(土)

第23期大阪精神分析セミナーは開催後も参加申込みを受け付けています。
9月22日までにお申し込みいただけましたら、第1回よりご参加いただけます。
それ以降にもお申し込みいただけますが、事務手続き上、ご参加いただけるのは第2回目からとなります。
参加費
全10回
 一般 ¥35,000
 学生 ¥25,000

尚、2019年度にご参加いただいた方には、Webでの開催による返金分(一般15,000円、学生12,000円)を今年度の参加費から差し引かせて頂きます。申込時に、2019年度ご参加のチェック漏れがないようお願い致します。
納入方法
一括全納       
振込先
申し込み受付後に、メールにて振込先をお知らせ致します。 9月頃を予定しております。
 
 

会場案内


今期のセミナーは、全日程オンラインでの開催となります。
開催日が近づいてまいりましたら、事務局よりオンライン会議室へのご招待メールをお送り致します。



注意事項


・受講時の撮影、録音は禁止しております。
・守秘義務を遵守できない方のご参加はお受けできませんのでご了承ください。
・受講中はイヤホンを使用してください。 また、受講者が映るようビデオをオンにしてください。



2020年度(第23期)セミナー案内ダウンロード


2020年度(第23期)大阪精神分析セミナー案内PDFファイルをダウンロード




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FAX: (072)293-4540