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2021年度 第24期セミナーご案内

 当セミナーでは、2021年9月から4年を1クールとした新たなクールが始まります。1年目となる第24期は、精神分析の創始者フロイトの文献を辿りながら、精神分析の基礎をじっくりと学んでいきたいと思います。以下のようなプログラム(オンライン開催)を予定していますので、是非ご参加をご検討ください。
 また、2年目には精神分析の様々な学派の理論を学び、3年目では現代の精神分析(的)臨床の実践に触れ、4年目には精神医学や他領域と精神分析との関連について理解を深めていきたいと考えています。もちろん単年で参加していただくことも可能です。

*2019年度(途中)まで午後に行っていました事例検討会につきましては、第24期からは別枠とし、少人数グループで開催する予定としています。講義(午前)のみ参加される方には、年に2回事例検討会にご参加いただける機会を設けました。
*当セミナーは日本精神分析学会認定研修グループです。2021年4月現在、コロナ禍における特例措置として、2022年3月末までオンラインによる系統講義及び事例検討会の開催が学会より認められています。それ以降もオンラインでの開催が認められるかどうかは未定です。もし認められない場合、第24回セミナーは、系統講義、事例検討会ともに学会認定研修グループの条件を満たさなくなりますことを、どうぞご了承ください。  


 2021年度 午前の部【系統講義】について

テーマ:「精神分析とは何か―フロイトの業績からその基礎を学ぶ」


プログラム

日 程 講 師 講義テーマ
1 2021年9月26日 松木 邦裕 先生 精神分析とはどのようなものか:
フロイトの人となりと精神分析
2 10月24日 清野 百合 先生 無意識の発見:ヒステリー研究を読む
3 11月21日 飛谷 渉 先生 無意識のメカニズム:夢判断を中心に
4 2022年1月23日 妙木 浩之 先生 エディプスコンプレックスと神経症:
ドラやハンスを通して
5 2月27日 横井 公一 先生 フロイトの技法についての論文を読む
6 3月27日 増尾 徳行 先生 精神病へのアプローチ:シュレーバー、狼男、ナルシシズム入門などを中心に
7 4月24日 十川 幸司 先生 自我のメカニズム:
メタサイコロジーの論文を中心に
8 5月22日 館 直彦 先生 不気味なものとは何か:
フロイトの芸術論、文化論、文明批評
9 6月26日 北山 修 先生 精神分析の終わりをめぐって:快原則の彼岸、終わりなき精神分析などを中心に
10 7月31日 藤山 直樹 先生 オープンセミナー:
スーパーヴィジョンを通して精神分析を学ぶ
*第1回(9月: 松木先生)と第10回(7月: 藤山先生)には、午後に事例検討会を予定しています。  

各講義概要・課題図書

第1回『精神分析とはどのようなものか:フロイトの人となりと精神分析』松木 邦裕 先生
フロイトは精神分析の創始者ですが、フロイトが築いた基礎は精神分析臨床の基盤として、今日も揺るぎなく、私たちが学ぶに値するものであり続けています。その業績の実際をこれからの一年に皆様が学んでいかれます。この皮切りの講義では、フロイトという人、人生、そして精神分析での歩みを紹介いたします。
<課題図書>
フロイト, S「精神分析入門」人文書院 フロイト著作集/新潮文庫/中公文庫プレミアム
フロイト入門 妙木浩之 ちくま新書 2014

第2回『無意識の発見:ヒステリー研究を読む』清野 百合 先生
フロイトが無意識を発見し自由連想法を発明したのは、何よりもまずヒステリー患者の治療に取り組むことを通してでした。本講義では、精神分析誕生の前夜とも言える時期の彼の臨床的奮闘とその考察が子細に記されている、ブロイアーとの共著『ヒステリー研究』を読み解きながら、その歴史的意義と今日的意義とを考えていきます。
<課題図書>
『ヒステリー研究』 S. フロイト著 フロイト著作集7 人文書院
『フロイトを読む』 J.M. キノドス著 岩崎学術出版社

第3回『無意識のメカニズム:夢判断を中心に』飛谷 渉 先生
夢解釈は、転移・逆転移の理解とともに精神分析臨床技法の中心を担います。本講の主眼は、分析的臨床における夢の使用を学ぶことです。「夢解釈は心の無意識的活性の知識へと至る王道である」というフロイトの箴言の意味を、症例「ドーラ」の素材を参照することで検討し、さらにクライン派のシーガルやビオンの業績にも触れ、夢解釈の現代的発展を跡づけます。心の無意識的側面について改めて考える機会となるよう企画しています。
<課題図書・文献>
「夢解釈Ⅰ・Ⅱ」フロイト全集4・5 岩波書店
「あるヒステリー分析の断片(ドーラ)」フロイト全集6 岩波書店
「精神分析たとえ話」第14、15話「夢の力Ⅰ・Ⅱ(イルマの注射の夢)」飛谷渉 誠信書房
‘Interpreting the function of dreams along with their content.’ In: Listening to Hanna Seagal: Her contribution to psychoanalysis. Ch. 7, Quinodoz. JM, Routledge. 2008

第4回『エディプスコンプレックスと神経症:ドラやハンスを通して』妙木 浩之 先生
本講義では、フロイトの症例を通して、主にエディプスコンプレックスについて考察したいと思います。症例としてはドラ、ハンス、そしてねずみ男ぐらいでしょうか。自己愛についての議論によって、精神病が射程に入る前の、フロイトが考えていたことに接近できれば、と思っています。その後、この議論は超自我の議論へとつながっているので、その議論ともつなげて考えられたらと思っています。トーテムとタブーやモーゼ論の入り口まで到達できるなら、目標達成でしょう。
<課題図書>
「あるヒステリー患者の分析の断片」 S. フロイト著 フロイト著作集5 人文書院
「ある五歳男児の恐怖症の分析」 S. フロイト著 フロイト著作集5 人文書院
『メタサイコロジー論』S. フロイト著 (十川幸司訳) 講談社学術文庫
<参考文献>
「フロイトの症例」吾妻ゆかり、妙木浩之(編) 現代のエスプリ317, 1999年
        
第5回『フロイトの技法についての論文を読む』横井 公一 先生
フロイトの一連の技法論文を読みます。フロイトの技法論は「ヒステリー研究(1895)」でフロイトが観察した現象を「性に関する3つの論文(1905)」で仮定した欲動の理論に基づいて治療を行うためにフロイトが実践した技法についての諸論文です。現代的な治療構造論の礎となったこれらの論文を、精神現象と欲動理論を背景に置きながらもう一度読み直します。
<課題図書>
フロイトの「Papers on technique. SE XⅡ p. 83-173」あるいはその翻訳
        
第6回『精神病へのアプローチ:シュレーバー、狼男、ナルシシズム入門などを中心に』増尾 徳行 先生
フロイトによる精神病へのアプローチを理解するには,シュレーバーから始めるのが適切と思います。ただ現代の精神分析的な問題意識に至るには,ナルシシズム論と合わせた理解が必要です。心的プロセスとして理解するとき,精神病とは,統合失調症などの精神疾患を抱える人に限らないからです。精神医学と精神分析は,はっきりと視点が異なります。私たちの臨床実践において,精神病が身近にあることを示せれば,と思っています。
<課題図書>
フロイト(1911/2009)「自伝的に記されたパラノイアの一症例に関する精神分析的考察」岩波書店
ボラス(2015/2017)「太陽が破裂するとき:統合失調症者の謎」創元社
        
第7回『自我のメカニズム:メタサイコロジーの論文を中心に』十川 幸司 先生
フロイトは、精神分析理論が、単なる比喩や曖昧な心理学に陥らないように、基本概念を厳密に基礎づけることに細心の注意を払っていました。この基礎づけの試みは、彼の臨床経験の円熟とともに、変化していきます。本講義では、彼の精神分析理論の骨格とも呼べる1915年の『メタサイコロジー論』に焦点をあて、それが現代の臨床とどのような形でつながっているか、考えてみようと思います。
<課題図書>
『メタサイコロジー論』(S・フロイト、講談社学術文庫)
『精神分析の四基本概念』(上・下)(J・ラカン、岩波文庫)
        
第8回『不気味なものとは何か:フロイトの芸術論、文化論、文明批評』館 直彦 先生
フロイトはとても文学的な人だったように私は思いますが、彼は精神分析を科学として確立しようと考えたために、自分の理論を補強するもの以外は、そういったものを避ける傾向が見られます。この講義では、不気味なものをとば口として、彼の芸術論・文化論・文明批評を概観し、それを通して精神分析理論の理解を深めることを目指します。
<課題図書>
フロイト『不気味なもの』(いろいろな出版社)
ブレーガー『フロイトー視野の暗点』(里文出版)
        
第9回『精神分析の終わりをめぐって:快原則の彼岸、終わりなき精神分析などを中心に』北山 修 先生
結局のところ、フロイトの精神分析体験とは何かを考えます。毋と父、エスと超自我、生と死、快と不快、善と悪、音楽と医学などの相克を「私(自我)」がどう生きるか、つまり三角運動(あるいはエディプス・コンプレックス)なのであり、願望、不安、防衛と理解し「私は、、、したいが、、、が嫌で、、、として生きる」という形に束ねることもできます。それは統合できないからこそ、紡ぎ出すための「三つ巴」の運動が生まれるわけです。
<課題図書>
フロイト「快原則の彼岸」
北山修『精神分析理論と臨床』誠信書房 2001
        
第10回『オープンセミナー:スーパーヴィジョンを通して精神分析を学ぶ』藤山 直樹 先生
スーパービジョンは、患者やクライエントのためにあるのではないと私は思う。それはあくまで、セラピストの訓練の一部である。スーパービジョンがその素材となっているケースの進展をじゃましたり、混乱させることもあるだろう。そしてよいスーパービジョンには、よいセラピーがそうであるように、ある種の混乱がつきものである。それを前提として、スーパービジョンで起きることを考えてみたい。
<課題図書>
Ogden, T(2005):On psychoanalytic supervision. Int J Psychoanal 86, 1265-1280
<その他>
*話題提供:片山貴美子先生(そうしん堂レディスメンタルクリニック)、宿谷仁美先生(あやめ池カウンセリングオフィス)
*第10回はオープンセミナーです。この回のみのご参加が可能です。
 

系統講義詳細

対象
精神分析、精神分析的精神療法・心理療法に関心をお持ちの医師(精神科医、心療内科医、小児科医など)、心理職(臨床心理士、公認心理師)及び、心理臨床を学んでいる大学院生で守秘義務を遵守できる方
開催期間
2021年9月26日(日)~2022年7月31日(日)       
開催時間
10:00~12:30
(第1回と第10回は13:30~16:00に事例検討会あり)       
定員
100名       
申込方法
お申し込みはこちら
申込期限
2021年8月末日

第24期大阪精神分析セミナーは開催後も参加申込みを受け付けています。
但し、初回(9月)への参加は9月19日(日)までにお申し込み下さい。
それ以降にもお申し込みいただけますが、事務手続き上、ご参加いただけるのは第2回目(10月)からとなります。
参加費
一般・学生 ¥35,000

年度途中からお申し込みいただく場合であっても、一年分の参加費を頂戴しております。ご了承ください。
第10回オープンセミナーのみご参加の方は、4,500円です。申込期日等の詳細は追ってお知らせします。
納入方法
一括全納       
振込先
申し込み受付後に、メールにて振込先をお知らせ致します。       
その他
本セミナーは、公益社団法人日本臨床心理士資格認定協会が定める臨床心理士資格の更新ポイント(定例型研修会)の申請予定です。
 



 2021年度 午後の部【症例検討】について


※午前とは別枠になりますのでご注意ください。
少人数による事例検討会です。ただし第1回と第10回は午前の系統講義参加者と合同(大人数)になります。
構造化された精神分析的心理療法の事例を提供できる方にご参加を限らせていただきます。
第9回は午前の講師(北山修先生)と異なり中村留貴子先生となります。
日 程 講 師 備 考
1 2021年9月26日 松木 邦裕 先生 午前午後合同
2 10月24日 清野 百合 先生
3 11月21日 飛谷 渉 先生
4 2022年1月23日 妙木 浩之 先生
5 2月27日 横井 公一 先生
6 3月27日 増尾 徳行 先生
7 4月24日 十川 幸司 先生
8 5月22日 館 直彦 先生
9 6月26日 中村 留貴子 先生
10 7月31日 藤山 直樹 先生 午前午後合同
 

症例検討詳細

対象
構造化された精神分析もしくは精神分析的精神療法・心理療法の事例を提供できる方。
事例を提供されるご希望の回について、申込時にご記入いただきます。
*構造化された心理療法:頻度は週1回以上、面接時間は45分以上、寝椅子または対面法による面接(児童の場合はプレイセラピー)
開催期間
2021年9月26日(日)~2022年7月31日(日)       
開催時間
13:30~16:00       
定員
15名       
申込方法
お申し込みはこちら
申込期限
2021年8月末日
参加費
一般・学生 ¥35,000
納入方法
一括全納       
振込先
申し込み受付後に、メールにて振込先をお知らせ致します。       
注意事項
*事例をご発表いただく回については、先着順で決めさせていただきます。
*ご発表は、A4で6枚程度のレジュメをご準備頂きますが、発表は口頭のみで行っていただきます。
*事例検討会では、参加中は常にビデオをオンにしていただくことが必須となります。その状態を維持できない方はご参加いただけません。
 



講師ご紹介(五十音順)

北山 修 先生 北山精神分析室
清野 百合 先生 パークサイドこころの発達クリニック/個人開業
館 直彦 先生 たちメンタルクリニック
十川 幸司 先生 十川精神分析オフィス
飛谷 渉 先生 大阪教育大学保健センター
中村 留貴子 先生 千駄ヶ谷心理センター
藤山 直樹 先生 個人開業
増尾 徳行 先生 ひょうごこころの医療センター
松木 邦裕 先生 日本精神分析協会/個人分析オフィス
妙木 浩之 先生 南青山心理相談室/東京国際大学人間社会学部
横井 公一 先生 微風会 浜寺病院
 

会場案内


今期のセミナーは、全日程オンラインでの開催となります。
開催日が近づいてまいりましたら、事務局よりオンライン会議室へのご招待メールをお送り致します。


注意事項


・受講時の撮影、録音は禁止しております。
・守秘義務を遵守できない方のご参加はお受けできませんのでご了承ください。
・受講中はイヤホンを使用してください。 また、受講者が映るようビデオをオンにしてください。


2021年度(第24期)セミナー案内ダウンロード


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