日 程 | 講 師 | 講義テーマ | |
1 | 2021年9月26日 | 松木 邦裕 先生 | 精神分析とはどのようなものか: フロイトの人となりと精神分析 |
2 | 10月24日 | 清野 百合 先生 | 無意識の発見:ヒステリー研究を読む |
3 | 11月21日 | 飛谷 渉 先生 | 無意識のメカニズム:夢判断を中心に |
4 | 2022年1月23日 | 妙木 浩之 先生 | エディプスコンプレックスと神経症: ドラやハンスを通して |
5 | 2月27日 | 横井 公一 先生 | フロイトの技法についての論文を読む |
6 | 3月27日 | 増尾 徳行 先生 | 精神病へのアプローチ:シュレーバー、狼男、ナルシシズム入門などを中心に |
7 | 4月24日 | 十川 幸司 先生 | 自我のメカニズム: メタサイコロジーの論文を中心に |
8 | 5月22日 | 館 直彦 先生 | 不気味なものとは何か: フロイトの芸術論、文化論、文明批評 |
9 | 6月26日 | 北山 修 先生 | 精神分析の終わりをめぐって:快原則の彼岸、終わりなき精神分析などを中心に |
10 | 7月31日 | 藤山 直樹 先生 | オープンセミナー: スーパーヴィジョンを通して精神分析を学ぶ |
第1回『精神分析とはどのようなものか:フロイトの人となりと精神分析』松木 邦裕 先生 |
フロイトは精神分析の創始者ですが、フロイトが築いた基礎は精神分析臨床の基盤として、今日も揺るぎなく、私たちが学ぶに値するものであり続けています。その業績の実際をこれからの一年に皆様が学んでいかれます。この皮切りの講義では、フロイトという人、人生、そして精神分析での歩みを紹介いたします。 <課題図書> フロイト, S「精神分析入門」人文書院 フロイト著作集/新潮文庫/中公文庫プレミアム フロイト入門 妙木浩之 ちくま新書 2014 |
第2回『無意識の発見:ヒステリー研究を読む』清野 百合 先生 |
フロイトが無意識を発見し自由連想法を発明したのは、何よりもまずヒステリー患者の治療に取り組むことを通してでした。本講義では、精神分析誕生の前夜とも言える時期の彼の臨床的奮闘とその考察が子細に記されている、ブロイアーとの共著『ヒステリー研究』を読み解きながら、その歴史的意義と今日的意義とを考えていきます。 <課題図書> 『ヒステリー研究』 S. フロイト著 フロイト著作集7 人文書院 『フロイトを読む』 J.M. キノドス著 岩崎学術出版社 |
第3回『無意識のメカニズム:夢判断を中心に』飛谷 渉 先生 |
夢解釈は、転移・逆転移の理解とともに精神分析臨床技法の中心を担います。本講の主眼は、分析的臨床における夢の使用を学ぶことです。「夢解釈は心の無意識的活性の知識へと至る王道である」というフロイトの箴言の意味を、症例「ドーラ」の素材を参照することで検討し、さらにクライン派のシーガルやビオンの業績にも触れ、夢解釈の現代的発展を跡づけます。心の無意識的側面について改めて考える機会となるよう企画しています。 <課題図書・文献> 「夢解釈Ⅰ・Ⅱ」フロイト全集4・5 岩波書店 「あるヒステリー分析の断片(ドーラ)」フロイト全集6 岩波書店 「精神分析たとえ話」第14、15話「夢の力Ⅰ・Ⅱ(イルマの注射の夢)」飛谷渉 誠信書房 ‘Interpreting the function of dreams along with their content.’ In: Listening to Hanna Seagal: Her contribution to psychoanalysis. Ch. 7, Quinodoz. JM, Routledge. 2008 |
第4回『エディプスコンプレックスと神経症:ドラやハンスを通して』妙木 浩之 先生 |
本講義では、フロイトの症例を通して、主にエディプスコンプレックスについて考察したいと思います。症例としてはドラ、ハンス、そしてねずみ男ぐらいでしょうか。自己愛についての議論によって、精神病が射程に入る前の、フロイトが考えていたことに接近できれば、と思っています。その後、この議論は超自我の議論へとつながっているので、その議論ともつなげて考えられたらと思っています。トーテムとタブーやモーゼ論の入り口まで到達できるなら、目標達成でしょう。 <課題図書> 「あるヒステリー患者の分析の断片」 S. フロイト著 フロイト著作集5 人文書院 「ある五歳男児の恐怖症の分析」 S. フロイト著 フロイト著作集5 人文書院 『メタサイコロジー論』S. フロイト著 (十川幸司訳) 講談社学術文庫 <参考文献> 「フロイトの症例」吾妻ゆかり、妙木浩之(編) 現代のエスプリ317, 1999年 |
第5回『フロイトの技法についての論文を読む』横井 公一 先生 |
フロイトの一連の技法論文を読みます。フロイトの技法論は「ヒステリー研究(1895)」でフロイトが観察した現象を「性に関する3つの論文(1905)」で仮定した欲動の理論に基づいて治療を行うためにフロイトが実践した技法についての諸論文です。現代的な治療構造論の礎となったこれらの論文を、精神現象と欲動理論を背景に置きながらもう一度読み直します。 <課題図書> フロイトの「Papers on technique. SE XⅡ p. 83-173」あるいはその翻訳 |
第6回『精神病へのアプローチ:シュレーバー、狼男、ナルシシズム入門などを中心に』増尾 徳行 先生 |
フロイトによる精神病へのアプローチを理解するには,シュレーバーから始めるのが適切と思います。ただ現代の精神分析的な問題意識に至るには,ナルシシズム論と合わせた理解が必要です。心的プロセスとして理解するとき,精神病とは,統合失調症などの精神疾患を抱える人に限らないからです。精神医学と精神分析は,はっきりと視点が異なります。私たちの臨床実践において,精神病が身近にあることを示せれば,と思っています。 <課題図書> フロイト(1911/2009)「自伝的に記されたパラノイアの一症例に関する精神分析的考察」岩波書店 ボラス(2015/2017)「太陽が破裂するとき:統合失調症者の謎」創元社 |
第7回『自我のメカニズム:メタサイコロジーの論文を中心に』十川 幸司 先生 |
フロイトは、精神分析理論が、単なる比喩や曖昧な心理学に陥らないように、基本概念を厳密に基礎づけることに細心の注意を払っていました。この基礎づけの試みは、彼の臨床経験の円熟とともに、変化していきます。本講義では、彼の精神分析理論の骨格とも呼べる1915年の『メタサイコロジー論』に焦点をあて、それが現代の臨床とどのような形でつながっているか、考えてみようと思います。 <課題図書> 『メタサイコロジー論』(S・フロイト、講談社学術文庫) 『精神分析の四基本概念』(上・下)(J・ラカン、岩波文庫) |
第8回『不気味なものとは何か:フロイトの芸術論、文化論、文明批評』館 直彦 先生 |
フロイトはとても文学的な人だったように私は思いますが、彼は精神分析を科学として確立しようと考えたために、自分の理論を補強するもの以外は、そういったものを避ける傾向が見られます。この講義では、不気味なものをとば口として、彼の芸術論・文化論・文明批評を概観し、それを通して精神分析理論の理解を深めることを目指します。 <課題図書> フロイト『不気味なもの』(いろいろな出版社) ブレーガー『フロイトー視野の暗点』(里文出版) |
第9回『精神分析の終わりをめぐって:快原則の彼岸、終わりなき精神分析などを中心に』北山 修 先生 |
結局のところ、フロイトの精神分析体験とは何かを考えます。毋と父、エスと超自我、生と死、快と不快、善と悪、音楽と医学などの相克を「私(自我)」がどう生きるか、つまり三角運動(あるいはエディプス・コンプレックス)なのであり、願望、不安、防衛と理解し「私は、、、したいが、、、が嫌で、、、として生きる」という形に束ねることもできます。それは統合できないからこそ、紡ぎ出すための「三つ巴」の運動が生まれるわけです。 <課題図書> フロイト「快原則の彼岸」 北山修『精神分析理論と臨床』誠信書房 2001 |
第10回『オープンセミナー:スーパーヴィジョンを通して精神分析を学ぶ』藤山 直樹 先生 |
スーパービジョンは、患者やクライエントのためにあるのではないと私は思う。それはあくまで、セラピストの訓練の一部である。スーパービジョンがその素材となっているケースの進展をじゃましたり、混乱させることもあるだろう。そしてよいスーパービジョンには、よいセラピーがそうであるように、ある種の混乱がつきものである。それを前提として、スーパービジョンで起きることを考えてみたい。 <課題図書> Ogden, T(2005):On psychoanalytic supervision. Int J Psychoanal 86, 1265-1280 <その他> *話題提供:片山貴美子先生(そうしん堂レディスメンタルクリニック)、宿谷仁美先生(あやめ池カウンセリングオフィス) *第10回はオープンセミナーです。この回のみのご参加が可能です。 |
日 程 | 講 師 | 備 考 | |
1 | 2021年9月26日 | 松木 邦裕 先生 | 午前午後合同 |
2 | 10月24日 | 清野 百合 先生 | |
3 | 11月21日 | 飛谷 渉 先生 | |
4 | 2022年1月23日 | 妙木 浩之 先生 | |
5 | 2月27日 | 横井 公一 先生 | |
6 | 3月27日 | 増尾 徳行 先生 | |
7 | 4月24日 | 十川 幸司 先生 | |
8 | 5月22日 | 館 直彦 先生 | |
9 | 6月26日 | 中村 留貴子 先生 | |
10 | 7月31日 | 藤山 直樹 先生 | 午前午後合同 |
北山 修 先生 | 北山精神分析室 |
清野 百合 先生 | パークサイドこころの発達クリニック/個人開業 |
館 直彦 先生 | たちメンタルクリニック |
十川 幸司 先生 | 十川精神分析オフィス |
飛谷 渉 先生 | 大阪教育大学保健センター |
中村 留貴子 先生 | 千駄ヶ谷心理センター |
藤山 直樹 先生 | 個人開業 |
増尾 徳行 先生 | ひょうごこころの医療センター |
松木 邦裕 先生 | 日本精神分析協会/個人分析オフィス |
妙木 浩之 先生 | 南青山心理相談室/東京国際大学人間社会学部 |
横井 公一 先生 | 微風会 浜寺病院 |
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淡路研究室内
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